岳温泉の源泉・泉質・効能

  だ    け
岳温泉
安達太良山麓に広がる爽やかな高原の温泉郷・福島県 / 岳温泉。 自然環境に恵まれ、空気と水が美味しい岳温泉は、 日本温泉協会のアンケートで、『自然環境日本一』に選ばれたほか、 日本観光協会主催の『第4回優秀観光地づくり賞』を受賞しています。
豊富な源泉より引き湯した、全国的にも珍しい「酸性泉」
岳温泉は自然涌出の温泉で、坂上田村麻呂が東征の折に発見したと言われ、 湯本は安達太良山連峰の鉄山直下、標高1,500mにあり、8km引き湯される間に適度に揉まれ、 肌にやさしい柔らかなお湯となっています。泉質は無味澄透で無臭、PHは2.48の酸性泉です。 福島県内では岳を含み3箇所、全国的には草津や雲仙などが酸性泉ですが、 抗生物質の無かった時代、この温泉の医療効果は貴重でした。 江戸時代後期の「諸国温泉効能番付表」でも岳は東北トップの前頭二枚目で、 『瘡毒に吉』とあります。慢性皮膚病、切り傷、火傷、神経痛に効能がある他、美肌効果もあります。
陸奥の岳温泉全景
(江戸時代後期)


岳温泉は豊富な天然温泉を源泉より引き湯して
四季を通じて熱く豊かなお湯を楽しめます。
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 岳温泉の14軒の旅館全てが、安達太良山と並びそびえる鉄山の南直下、くろがね小屋の付近の豊富な湧泉地帯から湧き出る天然の温泉を引き湯しています
 源泉からおよそ7.8kmの引き湯方式により、お湯は山肌をとうとうと流れ下り、管の中で適度に湯もみされて、肌にやさしい柔らかな湯になって各旅館に届きます。 このお湯が、岳温泉を訪れる人々の心と身体を癒してくれているのです。




適 応 症
神経痛・筋肉痛・関節痛
運動麻痺・慢性消化器病
冷え性・疲労回復
健康増進・慢性皮膚病

温泉分析書別表
  • 源泉名     岳温泉 (源泉名:元湯)
  • 源泉所在地   二本松市永田字元湯1の2、1の3、2の2、3の2、3の3
  • 温泉分析申請者 岳温泉管理株式会社 代表取締役 大内正孝
  • 泉質      単純酸性温泉 (掲示用泉質名 酸性泉)
  • 療養泉分類の泉質に基づく禁忌症、適応症等は次のとおりである。
禁忌症
一般的禁忌症(浴用)
泉質別禁忌症(浴用)
急性疾患(特に熱のある場合)、活動性の結核、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、高度の貧血、その他一般に病勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末期)
皮膚、粘膜の過敏な人特に光線過敏症の人、高齢者の皮膚乾燥症
適応症
一般的適応症(浴用)
泉質別適応症(浴用)
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え症、病後回復期、疲労回復、健康増進
慢性皮膚病
・飲用の適応症  慢性消化器病
【浴用上の注意事項】
(ア) 温泉療養を始める場合は、最初の数日の入浴回数を1日当たり1回程度とすること。その後は1日当たり2回ないし3回までとすること。
(イ) 温泉療養のための必要期間は、おおむね2ないし3週間を適当とすること。
(ウ) 温泉療養開始後おおむね3日ないし1週間前後に湯あたり(湯さわり又は浴湯反応)が現れることがある。
「湯あたり」の間は、入浴回数を減じ又は入浴を中止し、湯あたり症状の回復を待つこと。
(エ) 以上の他、入浴には次の諸点について注意すること。
1: 入浴時間は、入浴温度により異なるが、初めは3分ないし10分程度とし、慣れるにしたがって延長長してもよい。
2: 入浴中は、運動浴の場合は別として一般には安静を守る。
3: 入浴後は、身体に付着した温泉の成分を水で洗い流さない。(濁ただれを起し易い人は逆に浴後真水で身体を洗うか、温泉成分を拭取るのがよい。)
4: 入浴後は湯冷めに注意して一定時間の安静を守る。
5: 次の疾患については、原則として高温浴(42℃以上)を禁忌とする。
(ア)高度の動脈硬化症 (イ)高血圧症 (ウ)心臓病
6: 熱い温泉に急に入るとめまい等を起こすことがあるので十分注意をする。
7: 食事の直前・直後の入浴は避けることが望ましい。
8: 飲酒しての入浴は特に注意する。
【飲用上の注意事項】
(ア) 飲泉治療に際しては、温泉について専門的知識を有する医師の指導を受けることが望ましいこと。
(イ) 温泉飲用の1回の量は一般に100mLないし200mL程度とし、その1日の量はおおむね200mLないしは1000mLまでとすること。
(ウ) 強塩酸、酸性泉、含アルミニウム泉及び含鉄泉はその泉質と濃度によって減量し、又は希釈して飲用すること。
(エ) 以上のほか、飲用については次の諸点については注意すること。
1: 一般には食前30分ないし1時間がよい。
2: 含鉄泉、放射能泉及びヒ素又はヨウ素を含有する温泉は食後飲用する。含鉄泉飲用の直後には茶、コーヒーなどを飲まない。
3: 夕食後から就寝前の飲用はなるべく避けることが望ましい。
(注1)この別表は、温泉法第13条による掲示に必要な参考資料となるものである。
(注2)飲用については別途分析が必要であるが、参考までに禁忌症、適応症及び飲用上の注意事項を記載した。
別表作成日 平成21年7月3日
登録番号 新潟県(登)環企第3号
新潟県三条市吉田1411番地甲
社団法人 県央研究所 理事長 高野 貞子

県央温第D―226号
温泉分析書
(鉱泉分析試験による分析成績)
1. 申請者
住 所:二本松市岳温泉1-82
氏 名:岳温泉管理株式会社 代表取締役 大内正孝
2. 源泉名及び湧出地
岳温泉(源泉名:元湯)
湧出地:二本松市永田字元湯1の2、1の3、2の2、3の2、3の3
(ノッチタンクにおける混合泉の分析)
3. 湧出地における調査及び試験成績
イ.調査及び試験者 社団法人 県央研究所 山川正樹
ロ.調査及び試験年月日 平成21年6月16日
ハ.温泉 56.7℃(調査時における気温14℃)
ニ.ゆう出量 1290リットル/min(自然ゆう出、但し混合泉の利用量として)
ホ.知覚的試験 無色、無臭にして微白濁、強酸味を呈する。
わずかに白色の沈析物を認める。
ヘ.pH値 pH2.5
4. 試験室における試験成績
イ.試験者 社団法人 県央研究所  中島和彦、山川正樹
ロ.分析終了年月日 平成21年7月3日
ハ.知覚的試験 無色、無臭にして微白濁、強酸味を呈する。
わずかに白色の沈析物がある。(採水後48時間)
ニ.密度 1.0012(20℃において)  0.9995(20℃/4℃)
ホ.pH値 pH2.54
ヘ.蒸発残留物 0.585g/kg(乾燥温度110℃)
5. 試料1kg中の成分、分量及び組成
イ.陽イオン成分
成分 ミリグラム(mg) ミリバル(mval) ミリバル(mval%)
ナトリウムイオン(Na +) 14.0 0.61 7.30
カリウムイオン(K +) 6.4 0.16 1.91
マグネシウムイオン(Mg 2+) 9.5 0.78 9.33
カルシウムイオン(Ca 2+) 36.2 1.81 21.65
アルミニウムイオン(Al 3+) 15.5 1.72 20.57
マンガンイオン(Mn 2+) 0.5 0.02 0.24
鉄(II)(Fe 2+) 1.1 0.04 0.48
鉄(III)(Fe 3+) 0.2 0.01 0.12
水素イオン(H +) 3.2 3.17 37.92
アンモニウムイオン(NH4 +) 0.7 0.04 0.48
陽イオン 計 87.3 8.36 100.00
ロ.陰イオン成分
成分 ミリグラム(mg) ミリバル(mval) ミリバル(mval%)
フッ素イオン(F -) 0.3 0.02 0.25
塩素イオン(Cl -) 2.5 0.07 0.87
硫酸イオン(SO4 2-) 362.2 7.54 93.90
臭素イオン(Br -) 0.3 0.00 0.00
硫酸水素イオン(HSO4 -) 38.6 0.40 4.98
リン酸水素二イオン(H2PO4 -) 0.4 0.00 0.00
陰イオン 計 404.3 8.03 100.00
ハ.非解離成分
成分 ミリグラム(mg) ミリモル(mmol)
メタケイ酸(H2SiO3) 137.5 1.76
メタホウ酸(HBO2) 2.9 0.07
硫酸(H2SO4) 0.3 0.00
非解離成分 計 140.7 1.83
二.溶存ガス成分
成分 ミリグラム(mg) ミリモル(mmol)
遊離二酸化炭素(CO2)(遊離炭酸) 0.0 0.00
遊離硫化水素(H2S) 0.5 0.01
溶存ガス成分 計 0.5 0.01
溶存物質(ガス性のものを除く)632.3mg/kg
成分総計 632.8mg/kg
ホ.その他の微量成分
総水銀Hg不検出(0.0005mg/kg未満)
Pb不検出(0.01mg/kg未満)
カドミウムCd不検出(0.005mg/kg未満)
総クロムCr不検出(0.02mg/kg未満)
総ヒ素As0.042mg/kg
6. 泉質
単純酸性温泉 (掲示用泉質名 酸性泉)
7. 禁忌症、適応症等
「温泉分析書別表」中5に記載する。
平成21年7月3日
登録番号 新潟県(登)環企第3号
新潟県三条市吉田1411番地甲
社団法人 県央研究所 理事長 高野 貞子
温泉こぼれ話
  • 平成元年8月、台風13号が安達太良山を直撃して山崩れが発生。埋まった源泉復旧に36名が温泉より出動し修復させたことがあった。直下より噴出している温泉と違い、その維持には苦労話は絶えない。


  • 明治期までの湯引きは湯樋、つまり蓋のない側溝の様なものであった。冬季は冷えきって冷水状態。旅館も休業を余儀なくされたという。大正期には先人たちによって木管が設置されたというが、木管を背負って10km以上を登る作業を繰り返す訳だから大変だ。標高1700m近い源泉にこだわり続けて、質も量もすばらしい温泉を維持してきた先人たち。4WDで樹脂パイプを運ぶ時代は想像し得たろうか。


  • 木管とは・・・木をくり抜いた配管。くり抜く機械はアメリカ製だった。長さ3m重さ60kg程の木管は1本1本背負って運ばれた。戦時中は女性もこの作業に従事したという。今の我々に可能な者は、情けないかな、たぶん居ないだろう。


  • 話は変わって現代。温泉街の下「桜坂」には溢れ出る温泉を川に流している場所があります。これをポリタンクで汲み帰る方々が結構いらっしゃいます。多分自宅のお風呂で温泉を楽しんでいるのでしょうが、岳の温泉は『酸性泉』。追い炊きなどしようものならボイラーが腐食して壊れますのでご注意。同じように寒い時期に車を洗っている方もいるようですが、潮風以上にボディーを腐食させます。温泉は温泉場で湯に浸かって楽しみましょう。


  • 今は昔と違って湯引きもだいぶ楽になりました。とは言えまだまだ苦労が絶えないのが現実。樹脂パイプに総て交換できないことも悩みの種。いくつかある源泉は高温の場所で98℃もあるからパイプが変形して使い物にならないのである。そんな場所は未だに木管を使っているが、木管は「湯花」が溜まって詰まりやすい。ハイテク時代でもやはり知力と人力が勝負なのである。