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ダケミン そのきゅうにん! 渡辺豆富店の渡辺陽子さん

ハンソデが時々ふらっとお店に行って、あれこれ話をすることが多い、女将の陽子さん。渡辺豆富店といえば、プチッと割って食べる玉どうふが有名なところ。
さっそくダケミンインタビュー!

 

アクティブでアーティストな一面も!

―陽子さんは元々福島市の方ですが、どういった経緯で岳に来られたんですか?

 

嫁いだんですよね、結婚して。(夫が)高校の同級生なんです。だから同じ高校に通ってて、それからまあちょっと仲良くなって、そのままここに来たという感じですね。

 

―若い頃(今もお若いですが!)はどんなことをしていましたか?

 

私はバレーボールやってたので、バレーボールの強い学校に行きたかったんですよ。でもちょっと学力足りなくて(笑)

 

―あんまり陽子さんに運動するイメージ持ってなかったです

 

そうですよね。怪我してからはもうちょっとやらなくなっちゃったけど、結婚するまではずっとバレーボールやってましたね。機敏な時もあるんです(一同笑)

 

 

―子供の頃はどんなことして遊んでたんですか?

 

やんちゃでしたね。家の中にはいないか、当時ピンクレディーが流行ってた時代だったので、2人だから縄跳びの端と端をマイク代わりにして、全曲を覚えました!(笑)そのぐらい好きだった。
ほんとに暗くなるまで家に帰らなかった。

 

―アクティブで意外でした!なんとなく文系な感じがしてたので…手芸が得意だとか?

 

あ、そうなの!それは好きなの。ミシン与えられたら何日でもミシンに向かっていられる。コロナの時とか、逆に一日中仕事がないからマスク作りしてました。そういうのは昔から好きだった、ちまちまやってるのが。

 

子供たちのワンピースを作ったり、あとはもちろん親だったらみんな通園バッグとかシーツとかもオリジナルの作ったりとか、保育所の布団のカバーとか作ったりとか、ああゆうの楽しくてしょうがなかった!本当に随分作ったかな。

 

今は自分のエプロンとか作ったり。これは買ったものだけど作ったりもするし、布団カバーとかもだいたい自分で作っちゃう。既製品で気に入らなかったりするとやっぱ作りたくなっちゃうよね。

 

 

―自分なりにカスタマイズしたい感じ、わかります!

 

日曜大工やる人がこうやっぱ自分のオリジナル作りたいって思うように、こう既製品を見て私にこうだったら作れるかなとか必ず生地屋さんとかに立ち寄ったり。見てて飽きない。

 

―このお店の(渡辺豆富店)の店頭幕のデザインも<陽子さん作>なんですよね?

 

それは水性インクを筆で書いたと思う。丸の形はお豆腐作る時の寸胴があるんですけど、その蓋でやったの。玉どうふの縁を描くのにコンパスでは足りなくて、蓋でこうくくって作って、あとは大体でやっちゃった(笑)
そのかすれてんのがいいかな〜と思って、そのままにしちゃったんだけど。

 

 

―このかすれ具合が味があっていいですね。達筆に見えます

そうだよね。そう見えるよね(一同笑)

―結構アーティストなんですね

そんなことはないと思う〜。でも見るのも好きだし美術館とかも好きなの。

 

 

お豆腐屋さんの女将さんとして

―豆腐の唐揚げの誕生秘話、プリンやお豆腐のアレンジ料理など、どこで料理の経験を培ったのですか?

 

プリンとかデザートは板前さんから教わりました。デザートもずっと使ってるわけじゃないのでそのシーズンでこう変えていくから、こんな作りたいんだけどってご提案いただいた時にじゃあうちででこういう豆乳どうですか豆乳も濃度はどうですかとか、どういう状態でお届けしますかそういう話をしてるうちレシピを教えていただいたり。

 

 

あとはおから入りとか唐揚げなんかはむしろまかないのおばちゃんに聞くの。唐揚げとかそういうのはお客さんにはちょっと出せるメニューじゃないから。まかない食としてこうするといいよ教えてもらって粉の種類だったり。プリンは板前さんに教えてもらって、温度とか生クリームの調合する加減も板前さんに教えてくれました。

 

―料理するのもお好きなんですか?

 

料理も嫌いではないっていう感じだけど、元々きちんとした性格ではないので大雑把で、まず今でも味見をしない(一同笑)
中山さんにこないだあげたおから入りも、ごめんね味見しないで。私は味見してるうちにお腹いっぱいになっちゃう(笑)

 

―岳でお豆腐屋さんをやることについての苦労やうれしかったことってありますか?

 

お豆腐屋さんの仕事をやって、作る工程はわかるけど事細かには教わってなくて見よう見まねで何回も失敗してやっと商品になるようできた時に、やっぱり一番うれしかったかな。

それで以前食べて美味しかったからまた買いに来てくれたっていうのが、もうそれだけ、それだけでも嬉しい。

 

 

豆腐って最初から冷たいもんだと思ってた。それこそ豆乳にちょっとゼラチン入れて固める感覚でいたので。だけどそうじゃなくて自分で気に入った豆腐ができるようになるのに随分かかったんですよ。

いいものは気持ちよく売って「今日は美味しくできましたよ」って言うけど、あまりうまくできなかったのは売るのも躊躇しちゃうよね。私の気に入った豆腐じゃないこともあるので。

 

―そうやってお客様が喜んでもらえるようにって考えるのが、やっぱりプロ意識ですね

 

 

陽子さんの未来に向けての挑戦

今まではちょっと大豆の質を変えてね、もうちょっと美味しいお豆腐を作ろうとかいろいろ情報仕入れたりはしたんですよね。だけど取引先から求められるお豆腐ってあんまり主張しちゃいけないんです。あまり主張させちゃうと他の食材の邪魔になるということが分かって、なかなか厳しいです

今まで通り美味しい豆腐を提供したいんです。一つ一つ丁寧に、今のその現状維持できたらなぁって思いますね。特別なものとかそういうのは考えないで、ずっともう一つ一つ丁寧にできる範囲で、美味しい状態で提供できたらいいと思います。

 

―お客さんが喜んでもらえるように味を守り続ける、と。

 

色んなことをやり出すと、何かがやっぱ欠けてくる。何かにチャレンジしようと思って欲張ってもお客さんの口にはやっぱり合わなかったりすることも分かったから、今できる仕事を丁寧にすることかな〜

―ありがとうございます!プロのお話聞けていい話だ〜

丁寧に暮らしていこうって思うこと、普通のことですよね。

―普通のことですけどなかなか難しいんですよ…難しい気がする。

 

渡辺豆富店の名物・玉豆腐

 

陽子さんの思う岳の自慢

人柄がいいなって、やっぱり。人当たりいいなと思うんですね。子供もそういう気質でこのまま大きくなったのかな〜って思うんだよね。

―確かに閉鎖的なところが少ない気がしますね

 

 

岳のお気に入りスポット

う〜ん、どこかあります?

―光雲閣からの景色は好きですね

あそこはもう格別だよね。日の出とともに見るのね。みんなそうだなと思ったからなんかちょっと答えにくくなっちゃった(笑)

 

 

―インタビューは以上です。ありがとうございます!

 

 

陽子さんの意外な一面を色々と知ることができて、新鮮な時間だった。
渡辺豆富店は玉どうふやざるどうふ他に、限定メニューとして「ニセモノの唐揚げ」(お豆腐の唐揚げ)などなど幅広い。ハンソデも陽子さんからプリンやおから入りのお惣菜など、時々<美味しいほどこし>を受けてありがたい限りである。
お客さんのことを第一に考えて豆腐を作る姿勢のお店、ぜひお越しください!
ではでは〜

 

インタビュー後にお店の前にてパチリ

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