あだたら高原の林の中に佇む美術館で、自由にアートを楽しもう

作家の発表の場、語らいの場として20年前に誕生

こんにちは、岳温泉観光協会です!

 

温泉はもちろん、おいしいお店やおしゃれなカフェなど魅力的な施設が点在するあだたら高原。その中に美術館があることをご存知ですか? その名も『あだたら高原美術館 青-ao-』。岳温泉街から県道30号を大玉村方面へ車で5分ほど走った林の中に佇む、小さな私設美術館です。

 

 

『あだたら高原美術館 青-ao-』は2001年5月にオープン。若手作家に発表の場を提供したい。作家同志、または作家と来館者が語り合える場を提供したい。そんな想いから、オーナーの渡辺武郎(たけお)さん・永子(ながこ)さん夫妻が設立しました。

 

 

開館は4月から12月の毎週金・土・日曜日で、入館はなんと無料! 自由に中に入ってアートを鑑賞できるのが嬉しいですね。

 

木の温もりにあふれた館内は1階が常設展示室、2階が企画展示室になっています。建物が斜面に建っており、エントランスが2階にあるので、入ってすぐのホールが企画展示室です。

 

 

その時々でさまざまな展示が行われており、8月27日(金)・28日(土)・29日(日)、9月3日(金)・4日(土)・5日(日)には福島県在住の写真家たちの作品展「心に象(かたち)を届ける写真展」が開催されます。

 

階段を下りた1階にある常設展示室には、福島県在住の作家やゆかりのある作家の作品が展示されています。絵画のほかにカラフルなデザインや立体的な「スペースアート」など多彩な現代美術(モダンアート)があり、見ていて飽きません。

 

 

作品を見ているうちに「これはどうやって作ったんだろう」「何を表現しているんだろう」など、いろんな興味が湧いてきます。「自由に鑑賞していただきたいので、こちらから解説してまわることはありませんが、質問していただければ説明します」と武郎さん。説明を聞くとより深く作品に触れられるので、気になることがあったらぜひ気軽に質問してみてくださいね。

 

 

アート鑑賞を楽しんだ後は、2階の談話室でひと息つくことができます。窓の外に木々の緑が広がる居心地のよい空間でお茶をいただきながら作品の感想を語り合ったりアート談義を繰り広げたり、あるいは一人静かに鑑賞の余韻に浸ったり、思い思いにゆったりとしたひとときを過ごしましょう。

 

 

今も“青年の気持ち”で創作を続ける渡辺さん夫妻

渡辺さん夫妻は二人とも元教師で、武郎さんは中学校、永子さんは特別支援学校で長年美術を教えてきました。自らも作家として創作活動を行い、東京の銀座などで展覧会を開いてきた経験が『あだたら高原美術館 青-ao-』の設立につながったと武郎さんは振り返ります。

 

「銀座のギャラリーを借りるにはお金がかかるし、そもそも借りること自体が大変でした。それに展覧会を開いても、お客さんと落ち着いて話をする場所がないんですね。だから作家が気軽に発表できる場だけじゃなく、作家同志で交流したり、一般の方と話ができる語らいの場があったらいいなと思ったんです」

 

 

作家の発表の場、語らいの場を緑豊かな林の中につくりたい。その夢を叶えるため、教師を定年退職する10年前ほど前から裏磐梯など県内各地を見て回ったといいます。そして、当時住んでいた郡山市と福島市の間にある現在地に『あだたら高原美術館 青-ao-』を建てました。

 

「青は青年を象徴する色です。『青い山脈』という青春映画がありましたが、青にはいろんな可能性を持って未来を拓いていく青年のイメージがあるんです。私と家内も、安達太良の青い“ほんとの空”のようにいつまでも青年の気持ちでいたいなと思って『青-ao-』という名前をつけました」(武郎さん)

 

 

この場所は二人のアトリエでもあり、現在も現役の作家として武郎さんはCG(コンピュータ・グラフィックス)アート、永子さんは木版画の創作活動を続けています。

 

 

CGアートはパソコンのソフト・Photoshop(フォトショップ)を使い、デジタルカメラで撮影した写真に手を加えて作り上げるそうですが、実はこのアートは操作の間違いが元で生まれたのだと武郎さんは笑います。

 

「私がパソコンの操作を覚えたのは退職後。それまでは油絵作家でした。企画展の案内状も最初は手書きだったんですが、大変になってきたのでパソコンで作るようになりました。写真もデジカメで撮るようになり、フォトショップの操作をしていたら間違って別なところを押して全部真っ白になっちゃったんです(笑)。でも、こっちのほうがおもしろいんじゃないの? 単なる安いデジカメでもアートの表現に利用できるんじゃないか?と思ったのが始まりです」

 

 

東京の駅の人混みや落書きなど元となる写真の形や色、明度などを微妙に変えながら何度も手直しを行い、意図した表現に仕上げていくそうです。「自分の目で見たものが本質か、ということに対する一つの疑念があるんです。パソコンというフィルターを通すことで、自分の目には見えない隠れた真実が見えることもあるんじゃないか。そんな考えもあってこうした作品をつくっています」

 

自由な発想で新しい創造への挑戦を続けている武郎さん。『青-ao-』という名前に込めた想いのとおり、今もみずみずしい青年の気持ちでいることが伝わってきます。

 

10月~11月に福島県在住の若手作家の作品展を開催!

『あだたら高原美術館 青-ao-』では、10月22日(金)~11月28日(日)の金・土・日曜日に「あだたらの視点2021 福島青年美術の展望展」を開催します(主催:あだたら高原美術館 青-ao-、共催:岳温泉観光協会)。福島県在住の40歳未満の若手作家を招待して行う展覧会で、2002年から毎年開催してきました。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、2年ぶりの開催です(写真は武郎さんが撮影した2019年の様子)。

 

 

今年は30人の作家が出展。絵画、彫刻、デザインなどの現代美術から工芸まで多彩な作品が展示されます。

 

 

「アートに関わることによって自由な発想、創造の精神が育まれます。商業家や実業家、政治家になるにしても創造の精神、自由な発想を生かしたクリエイティブな精神が必要です。それはアートで培われるものと重なります。だからこそ、アートに関わることが非常に重要だと私は思います」と、武郎さんは話します。

 

 

あだたら高原の豊かな自然もまた、自由な発想の源になっているといいます。「都会ではシステムの中で生活せざるを得ませんが、自然の中では自分次第で植物とも動物とも共生していけます。自然の中にいると自分自身が解放され、何かに囚われることなく自由な発想を味わえるという良さがあります」

 

 

設立から20年。『あだたら高原美術館 青-ao-』は福島県の作家たちの発表の場、語らいの場として大きな役割を果たしています。まもなくやってくる芸術の秋。お子さんと一緒にご家族で、あるいは一人で心ゆくまでのんびりと。あだたら高原の美しい自然に囲まれた小さな美術館でアートを楽しみ、自由な発想を膨らませてみてはいかがでしょうか。

 

あだたら高原美術館 青-ao-
住所:福島県二本松市馬場平194-1
電話:0243-61-1312
開館日時:4月~12月の金・土・日曜日10:00~18:00(企画展の最終日は16:00まで) ※1・2・3月は休館
入館料:無料
駐車場:普通車は20台程度、大型バスも可
公式SNS:
instagram: https://www.instagram.com/adatarakougen_ao/

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